「ジェノサイダー」を考え始めるまで
④高校時代とロボアニメと
とりあえず漫画家を目指していた自分は、紆余曲折あって弥栄東高校(現・弥栄高校)普通科美術コースという、特殊で凄いところに奇跡的に入ることが出来ました。同コースの同級生は濃い&実力のある人だらけで、刺激が多くて作品制作の何某においてもそこそこのモチベーションが保てていました。 ここで人生の一番の転機になったのは、授業の一環でflashを触らせてもらった事でしょう。
こうして、自分は同級生の間で「アニメを作る人間」というポジションを得て、flashでアニメを作る事に専念することにしました。 |
そうして高校生になりましたが、高校時代はどちらかと言うとガノタ全盛期。 また、この時期に自分と弟はスーパーロボット大戦(以下スパロボ)シリーズ「スーパーロボット大戦R」に触れる機会があり、これをきっかけにスパロボシリーズに足を踏み入れる事になります。
その後、弟がスパロボAと据え置きのMX、自分がスパロボDとJ…と、しばらくスパロボを兄弟で分担して買うようになりました。 スーパーロボット大戦を触ったお陰で、80年代のリアルロボットタイトルを色々知ることが出来ましたし、同時にこの頃刊行されていた別冊宝島シリーズにはかなりお世話になりました。
この雑誌のお陰で、高校時代はレンタルしてきたボトムズとエルガイムのビデオを交互に見るとかやってましたね。 … この時期に「凄くハマッたアニメ」というと、まず先述のボトムズとエルガイム。
ビデオ屋に行ってボトムズとエルガイムを借ります。ボトムズを見ます「んー、泥臭い!」次にエルガイムを見ます「んー、軽い!」そんな事をしていた高校時代。結局ボトムズは完走しましたが、エルガイムは3分の2程度まで見て止まってしまいました。 Zガンダムもこの時期から再評価され、劇場用映画が新たに製作され喜々として観に行きましたね。 … … そしてもう一つ、忘れてはならないのがメガゾーン23です。
この作品を知ったのもスパロボからでした。 ただ、この時期は丁度レンタルビデオ店のVHSとDVDの入れ替え期であり、それ以前にもう80年代のOVAは中規模のビデオ屋には置いてありません。アニメのネット配信も始まるかどうかという時期だったので、観たくても中々見れませんでした。 程なくして、幸運にもアトラスから単巻のDVDが発売されました。コチラも1枚5千円と、高校時代の自分にとって痛い出費ではありましたが、それでも万単位の出費に比べればマシです。 念願のメガゾーン23を見るに至りました。何回も観たサンプル動画の先の未知の領域が見えてきます。 やっほーう…? おおう…? お…お…? … メガゾーン23の世間的な評価が高いかどうか、このタイトルを知ってる人はご存知でしょう。人気のある作品ではあります。自分も思い出補正含めて愛する作品ではあります。ただ、面白いかと言われると…という作品なのも確かです。 「あれ、コレ意外と面白くないぞ」 絵は綺麗と言えば綺麗、でも80年代中盤のOVAです。 そして多くの人が引っかかる色々な矛盾点…なんでB.Dはバカデカイバイクを乗り回すヤンキーすら捕まえられないのか、当時どこかのレビューサイトに書かれていた「東京市街に出るたびに記憶を書き換えられるなら、東京の縁に住んでる連中は大変だな」っていうのも「た、確かに…」と引っかかる点でしたし、「お前を抱きたいんだ」のくだりは「そんな無理矢理エロい展開を突っ込まなくても…」と率直に思いましたし…。失礼ながら主人公の声もそれほど上手に思えませんでしたし。まあ僕ら世代はこの作品のお陰で「ワクワクさんは声優だった」と知るわけですが…。
なんだ、思ってたより大したアニメじゃないじゃないか。しかしなんだろう、何故か嫌いになれない。
間もなく、PARTⅡのDVDも購入しました。 雰囲気はガラッと変わり、作画が良い意味でハードになりました。当時の「綺麗なアニメといえば~」という印象を持っていた自分でも、PARTⅡの"上手く行ってる部分"は綺麗に感じました。 メガゾーン23は初見こそガッカリしましたが、嫌いになれない理由は当時からハッキリ分かってました。その理由はやっぱり若手のクリエイターが良くも悪くも熱く突っ走ってる感覚…情熱が伝わってくるからです。 特典映像の予告映像や、ヤフオクに出品されている当時のムックやアニメ誌の特集号やグッズを眺めて「いいな…俺も80年代にこの作品に触れていたかったな」と身悶える日々を送ります。DVDを買った時はまだCDを持ってなかったんで、PARTⅡのメガゾーン崩落と共に「秘密く・だ・さ・い」が流れるところを延々ループさせてました。 こうして、PARTⅠ・PARTⅡと続けて買えばPARTⅢへと続くのが普通ですが、流石に1枚5千円したDVDをポンポン買う財力は高校生にありません。
何にしても、DVDも購入した事で、自分とメガゾーン23との付き合いはこの後も続きます… … この他にも、トップをねらえ!や冥王計画ゼオライマー、蒼き流星SPTレイズナー(ただしこの頃はまだ総集編だけしか観てない)そして伝説巨神イデオン接触編/発動編といった80年代のロボットアニメを観たり、高校時代の友人にエヴァンゲリオンの劇場版やらフルメタルパニックやらも掻い摘んで見せてもらった気がします。 そういえば、家から少し離れた所のTSUTAYAでFSSを見つけて、学校のPC教室のビデオデッキに突っ込んで友人と一緒に観たりもしてましたね。 ちなみに18歳を過ぎて早速借りたアダルトビデオは「ラル」と「ポップチェイサー」のカップリングDVDでした。 |
高校2年生の時に文化祭で上映の出し物をやる、という話になって「頑張って長めのロボットアニメを作ろう!」と思い立って「鋼鉄戦士ガリオス」というflashアニメを頑張って作ったりしてました。 アニメーターを目指してflashでアニメをちょいちょい作ってはいましたが、流石に当時は「自分の創作物をシリアスにアニメにするには自分にスキルが整ってない」と思ってたので、人間のキャラクターはほとんどアニメに反映していませんでした。 この時期は、紙やプリントの裏にオリキャラの絵を延々描くか、痛々しい漫画を描くかしていました。 まあ、アレです。高校から大学が一番イタい時期です。 一次創作のキャラクターは先述の通り、なんの脈絡も無い絵をひたすら紙に描いてました。 。 一方、漫画の方はというとガンダムの二次創作のようなもので、「シャアがパワードスーツ・モビルスーツを装着して戦うヒーロー物」を描いてました。ギャグの体裁を被ってシリアスに描いてました。あれを友人に見せびらかしてたとか思い出しただけで、当時の自分を今から殺しに行きたくなります。 そしてもう一つガンダムの二次創作のような物として、Vガンダムの先の宇宙世紀を舞台にしたオリジナルのガンダムを…
… と、とにかく、そんなこんなでガンダムのキャラクターを使って色々描いていたわけですが、丁度高校の図書室にガンダムキャラクター大全集という本がありまして。
ここではじめて「版権キャラクターを真面目に模写する」ということをやったんです。お陰さまで、顔の描き方とかかなり基本的な事を学べたような気がします。 … そうている内、大学受験の時期になりまして。受験のこともあったので「Earnest Fight!!」という自主制作アニメを制作し学生デジタルコンテストに応募したら準賞というデッカイ賞を取ることが出来、アニメーション学科のある大学に自己推薦ですんなり入学する事が出来ました。 |
他の大学も受けりゃ良かったのに