「ジェノサイダー」を考え始めるまで
②ビデオ屋と聖闘士星矢とゆとり世代
先の項にも少し書きましたが、ウチの母親はAV機器通で、家にはVHSのデッキと共にEDV-6000というベータ(厳密に言えばEDベータ)のビデオデッキがありました。BSで放映される映画もどんどん録画していましたし、ベータのビデオにはコピーガードが効かなかったのでレンタルビデオのコピーガード解除機代わりにも使っていたようです。 そんな母親に育てられたので、90年代は買い物のついでにビデオ屋へよく行きました。ビデオ屋に来ると、大体「何か旧作を一本だけ借りてあげよう」という話になるので、母親がビデオを物色してる間に自分もアニメ・特撮コーナーで借りてもらう作品を物色しておりました。弟が物心つく頃には(子供)1人1本…つまり2本借りてよいことになったので、時々弟をうまく言いくるめt説得して、上手く自分の借りたいものを2本借りてもらったりとかしてました。 さて、ビデオ屋といえば色々なビデオがあります。ビデオというメディアが相当普及した時期です。まず当然アダルトビデオもありますし、チープなホラー・スプラッター、全年齢映画のコーナーにもえっちなパッケージのビデオが置いてあります。母親も、自分がそーいうコーナーに行かないように(一度AVコーナーの中で興味津々にビデオを眺めてたら見つかったことがあったり)そこそこ警戒はしていたようですが、やっぱり限度があるわけで。自分も当然「エロいのは子供が見ちゃ行けない」というのは分かっていましたが、前を通るフリをして何回もエロいビデオの前を通ったりとか…。今思えば、インターネットがまだ家に無かったあの時代に、怪しくディープな自分の知らない世界を垣間見せてくれたのがレンタルビデオ店だったように思います。 さて…90年代も終わりに差し掛かり、みんながノストラダムスを気にしはじめたくらいの頃。 見つけた!コレだ!聖闘士星矢!12345、9巻?なんだか巻数が飛んでいる。 星矢に関する説明を渋々する母親でしたが、「絵は綺麗だった」と褒めていたので期待はしていたんです。ただ、当時の自分が「絵の綺麗なアニメ」と言われて想像するのは90年代のOVAくらいの高水準なものでした。そのため、本編が始まった時は「あれ?なんだ結局昔のアニメはこんなモンか」って、初見の時は少しガッカリしたんですよね。子供だったんで、当時のTVアニメとしては水準が高かったとかそんな事情も分かってませんでしたし。荒木作監回を「こんなもんか」って評価した幼少期の自分…(顔面蒼白 そうして最後まで見ます。アニメ十二宮編は連載に追いつく都合上、少々ゆっくり目で話も進んでいたので展開はゆっくりでした。「男だ!カシオス愛に死す」のタイトルバックの絵に笑い、最後の特典映像のフランス語版で笑いました。ついでに星矢のクロスのデザインが初期の胸当てタイプなのに、頭はヘルメット型という堅牢なデザインで違和感を感じたりもしていました(もっとも、このアニメ版クロスのデザインに関しては最初に見た時も特に「悪い」とは思わなかったんですが)。 |
それは、まさにこの頃の自分が求めていた衝撃でした。 「最近のアニメから、自分の求める格好良さが無くなってしまった」 これだ。俺が求めていたアニメは。 こうして、小学校高学年にして懐古主義に目覚めてしまったのでした… |