1987年7月…自分は昭和の末に生まれました。
(次の項で改めて話しますが)AV機器通の母親のお陰で、幼少期から"放映の終わった作品"に触れる事に慣れていました。 自分が幼少期に放映が終わっているにも関わらず見まくってた作品… その代表格が仮面ライダーBlackとRXです。
母親はどちらかというとBlackの方が好きなようで(自分も今はそうですが)レンタルビデオを全話βにダビングしてたくらいだったんですが、僕の方は案の定RXの方が格好良くて好きでした。上の画像のビデオは家にあったもので、暇さえあれば観ていました。 また、当時放映していたメタルヒーローシリーズ…自分はソルブレインから見ていましたね。コチラも大好きでした。当時仮面ライダーが放映していなかったということもありますが、ライダーが「変身」しているのに対して、メタルヒーローは「スーツを着ている」という部分にリアリティもありました。要するに、「あんなのは着ぐるみで、本当は中に人が入ってるんだよ」というイチャモンに対して「パワードスーツを身に着けてるんだからそれでいいんだよ!」という具合で。 兎に角、こういう具合に幼少期の自分に「等身大のヒーロー」「スーツを身に纏って戦うヒーロー」への憧れが植え付けられたわけです。
そして、90年代に幼少期を過ごした男の子にとってもう一つ、忘れてはならないのは勇者シリーズ。
自分が見始めたのは「太陽の勇者ファイバード」。91年の作品なので、自分は満4歳です。 ご存知の方もいるかとは思いますが、この「ファイバード」は初期の勇者シリーズの中では少々異色な作品。 中心になる少年こそ居ますが、主役は火鳥勇太郎という…エネルギー生命体のファイバードがアンドロイドに憑依してる形態で、人間社会に紛れてタワシを食う暮らすという他のタイトルに比べると少々浮いた設定があります。 主人公の少年と、ロボットの交流が魅力のシリーズですが(例外もありますが)この作品は「子供目線から見た頼りになるカッコイイお兄さんヒーロー」という側面より強まった作品だったと思います。 高校時代にDVDBOXが発売され、十数年ぶりに観た時は流石に対象年齢が低くて気恥ずかしい面もありましたが、、、それでも火鳥兄ちゃんの、普段の天然ボケな3枚目と格好良い場面のギャップは素晴らしかったですね。
そうしている内にもう一つ、「子供目線から見た、格好良いお兄さんヒーロー」が登場します。 仮面ライダーZOです。
TVシリーズが中断していた仮面ライダーシリーズの劇場公開作品です。自分は劇場には観に行ってないのですが…上の画像はイベントに行った時に、ZOの主人公・麻生勝役を演じた土門廣さんに直接、握手と共に頂いたサインです。 一時、ずさんな保管をしていたので皺だらけなんですけどね。ヒーローショーなどでスーツを着たヒーローからサインを貰ったりって事はあったんですが、"中の人"を目の当たりにしたのは後にも先にもこの時だけでして。 「ん!?本人がいるってことは、本当に変身できるのか!?」なんて、会場で混乱してた記憶もあります(笑
最後にもう一つ、とてつもなくメジャーな作品になりますが、忘れてならないのがドラゴンボールZ。
「普段は穏やかな天然ボケ、怒るととてつもなく格好良くなる」という、スーパーサイヤ人孫悟空の格好良さは鉄板でした。 ただ、自分がアニメを観始めたのはブウ編から。同世代に比べると遅いです。これは母親が原作を愛していたため、拙いオリジナルや引き伸ばしに耐えられずアニメの視聴を渋っていたためです。そして、自分の「孫悟空が観たい!」という思いに反し、ブウ編の一つ前のセル編末期から、少年悟飯や子供のトランクス・悟天が前面に押し出される展開となっていて、孫悟空が見たかった自分は「孫悟空を出せよ!」とヤキモキしてた記憶もあります。有名な話ではありますが、結局終盤の展開では孫悟空が主役として返り咲き、自分にとっては望んだ展開になったわけですけれど。
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そうした楽しい日々も長くは続きませんでした。 まず、ドラゴンボールZが96年に終了し、GTが始まりました。ところが、GTでは何故か悟空が子供の姿になってしまいます。その時点で「なんでそんな野暮な事を!」と失望したわけですが、内容の方も無印時代のアドベンチャー路線に戻ってしまいます。地球を破壊するレベルの敵を何人も倒した悟空達が、行く先々の小悪党に梃子摺るのは、もうフラストレーションやイライラを通り越してただのストレスでした。2クールも観てないかもしれません。
続いて、97年に「ビーファイターカブト」が終了。新しく始まったのは低年齢層向けの「ビーロボカブタック」でした。等身大のヒーローを供給し続けてくれたシリーズが、突然自分を裏切ったときの失望もとてつもなく大きかったですね。仕方なく観てはいたんですけど、デザインから何から、とにかく低年齢層向けで…。結局「仮面ライダークウガ」が始まるまでヒーローは帰ってきませんでした。
さらに、98年には「勇者王ガオガイガー」と共に勇者シリーズが終了。既に習い事の時間の関係でガオガイガーは観ていなかったんですが、これもまた自分に大きな失望を与えます。2Dの格好良いスーパーロボットのアニメが潰えてしまったわけです(もちろん、厳密には他に色々とロボットアニメは残ってはいたのですが)
また、この時期はイージーフィルム系をはじめとしたライトノベル原作のアニメも増えてきた時期であり、更にエヴァンゲリオンブームで「抽象的で鬱々とした作品」も増え、何より自分はこの時代に流行ったアニメの絵柄がとても苦手でした…。当時は「最近のアニメは嫌いだ!」と言ってたわけですが、2000年代後半になってきてからのアニメの絵柄の方は逆に嫌悪感が全然無いんですよね。90年代の絵柄が好きな人には申し訳ありませんが。
もっとも、この時期に何も観ていなかったわけではなく、「ビーストウォーズ」は偶然存在を知って「3DCGのロボアニメだ、すげーな」と言って漠然と観ていたら、段々声優陣のアドリブが凄い事になり、結果として自分に声優という職業の存在を教えてくれた作品になりましたし、実際毎週家族で大爆笑して観てました。ただ…やはりそれはそれと言いますか。大好きな作品ではあるんですが、当然ながら「セル画の格好良いロボットが戦う」という物を求めてる自分には"ロボットアニメに対する飢え"を満たしてくれるタイプの作品ではありませんでした。 あと、「るろうに剣心」も観てましたね。コレも「等身大のヒーロー」に対する飢えを満たしてはくれませんでしたが、少なくとも自分に「近代のロマン」を教えてくれたのはこの作品がきっかけです。観てたのは結構飛び飛びでしたけどね。
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そうして、当時の作品群に失望しきってスッカリアニメを見なくなったある日の事です。 小学校の友達が家に遊びに来て、勝手に本棚を穿り出したんですよ。 そしたらドラゴンボールの裏から、母親がかつて購入していた80年代末期のジャンプの名作コミックスが大量に出てきたんです。 タルるートくん、シティーハンター…幼少期にアニメを見ていた作品です。「この漫画が家にあったのかよ!」と驚愕している中に、一つだけ…自分の知らない作品がありました。 「なんだコレ…少女マンガ?」自分の率直な第一印象でした。
これが、自分と聖闘士星矢との出会いでした。
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