古代戦殻ジェノサイダー

SECOND WORLD WAR(Ⅰ)



ストーリー

1944年12月。太平洋戦争勃発から3年が過ぎた頃、負傷により南方戦線から復員していた日本兵の中沢昭一はかつての後輩の川西哲一と共に軍の研究施設に召喚される。
そこに用意されていたのは、とても奇抜な形をした強化外骨格のような戦闘用の鎧"ケプレシュ"であり、それぞれに「ホルス」と「セト」という名前が付けられていた。
2人は、病院で受けた"適正審査"で高い水準を示していたため、試験運用のために呼ばれたのであった。

早速試験に取り掛かる2人。驚くべきことに、この"ケプレシュ"は身に着けるだけで空を自在に、かつ高速に飛び回ることができ、さらに強固な防御力も兼ね備えていた。
「君たち2人の分以外にもこの"ケプレシュ"がいくつかある。この"ケプレシュ"を身に着けた戦士が数人集まるだけで、戦況が一転するだろう」
敗戦色が強くなっている戦況が自分たちの手で覆すことができる──運用試験を指揮していた小早川大佐の言葉に、中沢と川西は奮い立った。

翌日、別の山中で引き続き試験運用を行っていた中沢であったが、彼の目の前に突然蠍のような形状の"ケプレシュ"を身にまとった女性が現れ立ちはだかる。
「この鎧は戦争に利用するべきものじゃないのよ…悪いんだけど、回収させてもらえないかしら?」
「そんなこと出来るわけないだろ!」
突然始まった"ケプレシュ"を身にまとった者同士の戦闘──。ケプレシュの操縦に不慣れな中沢は押されてしまう。
「もうやめなさい…命まで取ろうとは思わないわ」
「ふざけるな!コイツは死んでも渡さないぞ!!」
ボロボロになりながら、根性で引き下がる中沢の攻撃が謎の女性に命中しそうになったその時、突然白い鳥型のケプレシュをまとった巨漢の膝蹴りが中沢の脇腹に食い込み、程なくして中沢は意識を失った。

中沢が襲撃されたという報せを受けて、別所で試験を行っていた川西が現場に急行した時には、既に中沢は"ケプレシュ"と共に何処かへ連れ去られた後であった。

中沢が気が付いたのは見知らぬ一軒家の一部屋であった。
「あ、気が付いた?」
部屋を見渡していると、通りかかった女性が障子を開けて声をかけてきた。中沢は、彼女が先ほど戦った謎の女性だとすぐに気付いて思わず体を引いて身構える。
「ここは何処だ!?」「私の家よ…お父さん!起きた!」

曾我澪というその女性は、彼女の父親とドイツ人を呼び出した。中沢が持っていた銃はドイツ人が手にしていた。
そこで中沢は自分の身に着けていた"ケプレシュ"のことを聞かされる。
古代エジプトで作られたもので、20年前に日本に複数持ち込まれ、別の戦いで使われ、それが今国家間の戦争に利用されようとしていること。
そして曾我澪らが、日本軍が本土決戦用に東京の地下─東京オリンピック用に整備されていた地下鉄跡─に作られている要塞の建設の妨害を画策していること。
この妨害活動に協力して欲しいという申し出も受ける中沢だが、承服できるわけがなかった。

その場にいたドイツ人は「協力しないなら」と中沢を撃ち殺そうとするが、澪に止められる。
中沢は一瞬の隙を突いて澪の家から逃げて行った。
「マズイんじゃないか?」「ちょっと泳がせておきましょう…」
澪たちが家でそんなやり取りをしている間に中沢は最寄りの駅に着くが……


概要

1990年8月15日発売6800円(税別)
本編の視聴が困難な割にやたらゲームが出ていた古代戦殻ジェノサイダーの、名実ともに最終タイトルとなった1作。(厳密にいえばこれは"Ⅰ"なので次作の"Ⅱ"が最終タイトルなんですが)ROMカセットからCD-ROMメディアでの供給となり、パートボイスですがキャラクターが喋るようになりました。また、これまでは星矢系のファンタジー色が強いバトルものたったのが、今作はSF色が強くなったのも特徴的です。
大正時代の22年後の1945年が舞台となる今作、太平洋戦争が絡むせいか鬱度もかなり高い内容となってまして、古代戦殻ジェノサイダーらしくメインキャラの生存率は高いのに脇役の致死率は高いを地で行ってます…。ハイターゲット向けだったのもありグロ描写もしっかりあるため、累の死亡シーンがショッキングでトラウマ必至。グロシーンはあるのにお色気描写があまり無いという色んな意味でキツい展開でした…。他に、アメリカの無差別爆撃に関しても国際的に危ないシーンや発言があったり、当時の目で見ても今の目で見ても色々と危ない内容でして、そのせいで出荷本数が少ないのかな?高騰してないものの中古ショップでもあんまり見かけませんね。

大容量と言ってもやっぱり容量に限界があって、元々1本のタイトルの予定だったのが発売直前に急遽ⅠとⅡで分けることになったんですよね。お陰で最終決戦直前に両陣営が相対するところでストーリーが終わってます。アドベンチャーパートはスカスカで「Ⅱ」では見事に削られてました。


システム

ジャンルはアクションシューティングアドベンチャー。長ったらしいなもう。
アドベンチャーパート>要塞探索パートという順でストーリーが進みます。要塞探索パートで敵部隊とエンカウントすると下記のシューティングアクションが始まります。
 
CMでは「驚異の全方位スクロールシューティング」とか言ってたけど、別に360度移動できるシューティングなんてこのゲームの何年も前からゴロゴロしてたんですけど…
Ⅰボタンでメインショット、Ⅱボタンで格闘攻撃、セレクトでスペシャルウエポンを使用できます。
マップはループするようにできてるみたいですが、プレイヤーを中心にして敵が追いかけてくるシステムなのでアステロイドみたいに右に行ったら左に出るというのは無いです。
一部の地形はキャラクターの進行や敵攻撃を防いでくれるので上手く使いましょう。
昭一とハマーは連射パッド使うとほぼ無敵ですが調子に乗ると序盤で弾が切れて詰みます。


 
そうそう、前作のキャラクターもちょろっと出てきます。
左画像上の曾我秀明さんはほぼレギュラーですし、右画像の右のオッサンが前作の主人公の斎藤譲さんですね。
「お前ら軍人が不甲斐ないからこんなことになったんだ!」と今作の主人公をボッコボコに。理不尽な暴力。

この時代のシューティングらしくキャラバンモードなんかも付いてましたけど、大会とかで使われたんでしょうか?


キャラクター

↑身長対比表(クリックで拡大)


中沢昭一(なかざわ しょういち)

主人公。19歳。南方戦線で負傷して内地に復員してきたが、両親と弟は空襲で亡くなっていた。当初は対日本帝国を盲信する典型的な単細胞熱血馬鹿であったが、空襲で非戦闘員が目の前で犠牲になるのを目にするうちに徐々に寡黙になっていく。
最初は澪に反発していたが、徐々に彼女に惹かれていく。典型的なツンデレ。

ちなみに特装司令レギオスの主人公・中沢勇介の祖父にあたる。


彼のまとうホルスケプレシュは超大型のガトリング砲が備え付けられている。
ガトリング砲から射出される徹甲弾はケプレシュの装甲にも大きなダメージを負わせることができる。
撃ち終えたら切り離すことも可能。


曾我澪(そが れい)

前作・古代戦殻ジェノサイダーの曾我秀明とリン=ラキシスの娘で、三姉妹の真ん中。
20歳。歴代セルケト伝統の長身のグラマーで、落ち着いた雰囲気の大人びた女性。
当初は達観したような言動が多かったが、自身を犠牲にしてでも守りたかった姉と妹を相次いで失い、かえって情緒が不安定になっていってしまう。

ちなみに特装司令レギオスの主人公・中沢勇介の祖母にあたる。

彼女のまとうセルケトケプレシュは、ワジェトケプレシュの右腕部分が移植されており火炎攻撃が可能。
また、最終決戦時は優先式の超大型荷電粒子砲を使用した。
他の5人と比べると格闘戦向き。


ハマー・グラッドストン

アメリカ人。22歳。B-29の爆撃照準士。
幼少時代に旅行で来日しており、その際に怪我をした時に見知らぬ日本人(烏丸朱雀)にお守りと
称したスカラベをもらう。搭乗したB-29が撃墜されて日本本土に墜落するが、その際に偶然ケプレシュをまとい機体を軟着陸させたのを中沢昭一に目撃された。
日本の文化に関心があり学生時代に日本語を学習していたためかなり流暢な日本語が喋れる。
当初は半日感情も強く初期の中沢同様反発していた。累と交流する内に態度を軟化させていくが…

彼のまとうオシリスケプレシュはこれといった改造はされていない。
彼の使う重機関砲・キャリバー50は撃墜されたB29に搭載されていたものを人が持てるように改造したもの。(※当然生身の人間では持つことはできない重量と振動である)
最終決戦時はB29に搭載されていた250kg爆弾の不発弾を背負って出撃した。

"Ⅱ"では難易度をハード以上にした状態で隠しボスのハトホル奈々子と相対した場合にサイバーアップ、
金色のパワーアップ形態が操作できるようになり、隠しボス戦の難易度がかなり下がる。


シュバイツァー・シェーンステッド

ドイツ人。24歳。メインキャラクターの中では健司と並ぶ巨漢。
4年ほど日本に滞在しており、ハマー同様流暢な日本語を話せる。
皮肉屋かつ嫌味ったらしで棘のある言動が多く、昭一とハマーを面と向かってバカ呼ばわりする。
性格の馬が合うのか大体鳴海と行動を共にしている。
実は彼も本国の家族を戦火で亡くしている。

彼のまとうトトケプレシュにはレーザー銃が装備されており、普段は右肩に懸架さてている。
また左腕には、折れたブーメラン展開することで剣として使えるよう装着されている。
頭部ヘルメット部が大幅に改修されている。従来通りフェイスガードを装着することも可能。


珠本鳴海(たまもと なるみ)

従軍慰安婦。小柄だがこう見えて澪より年上の22歳。
朗らかな見た目と喋り方をするがシュバイツァーに負けず劣らず辛辣な言葉を平然と口にしたりするため、
中沢昭一に怖がられている。
財政的な事情で実家に売られた過去があるため、日本人でありながら日本の慣習や社会を忌み嫌っている。幸せな家庭で育った倉橋奈々子に対し強い敵愾心を抱いている。

彼女のバステトケプレシュには右腕にグレネードランチャー、左腕にナックルボンバーという成形炸薬で直接敵に殴りつける装備がされており、左腕のクローを展開して使用することも可能。

 


川西哲一(かわにし てつかず)

18歳。中沢昭一の学生時代の後輩だが、現在は軍の階級上は上官になっている。
歴代セトの伝統的な"人の上に立ちたがる性分"の持ち主で、大東亜共栄圏の構想にも誇りを持つ。
見た目によらず明るく面倒見の良い性格をしており、日本軍側でリーダーシップを発揮している。
試験中に行方不明になった中沢昭一の身を案じていた。
中盤で要塞建設妨害工作を行う不穏分子の中に昭一の姿を見て衝撃を受ける。

キャラデザインの関係で長髪なのだが、戦中は特別な事情が無い限り男子の長髪は認められていなかった、と当時からすごく突っ込まれてた人物。

彼のセトケプレシュにはビームライフルが装備されており、右肩に有線接続されている。弾数は5発だが威力は絶大なものとなっている。



倉橋奈々子(くらはし ななこ)

裕福な家庭に育った7兄弟(姉妹)の6番目の女学生。18歳。
ジト目がちで常に怪しい笑い方をする。適正審査で良適正が出たため軍に召喚された日に空襲に遭い両親と兄・姉らのほとんどを失う。
その際に川西に救われ、妹の八重と共に川西の家に居候する。
Ⅰの終盤で鳴海に顔面を裂かれて眼帯を付けるようになった。川西に思いを寄せており、「ななちゃん」と呼ばれただけであたふたしてしまう初心。
小柄な割に巨乳

彼女のタウェレトケプレシュには両肩にプラズマ砲、両腕にパイルバンカーが装備されている。プラズマ砲は威力は絶大だが1発しか撃てない。射撃後は切り離して捨てる。
パイルバンカーは左腕のみ射出することが可能。

"Ⅱ"では難易度をハード以上にしていると、最終ボス手前でハトホルケプレシュをまとい隠しボスとして再出撃してくる。


エルザ・ヴェヒター

ドイツ人で、ナチスドイツ軍の国防軍女子補助員。シュバイツァーと共にケプレシュの解析を務めていた。23歳。
あまり表には出さないが本人は典型的なファシストで、日本人に対しても劣勢民族という目を向けていた。しかし大使館に訪ねて来た澪の美貌に一目惚れしてしまい、思想と感情の狭間で苦悩することになる。
澪が要塞建設妨害工作要員と判明するまでは、大使館に来る澪と紅茶を飲むのが楽しみだった。
爆薬や爆弾のエキスパート。香の雷鳴槍もエルザが開発した武器だ。

彼女のまとうネクベトケプレシュも特に改修はされていない。
しかし彼女のばらまいた動態感知爆弾は非常に厄介で、対エルザ戦で引っかかるプレイヤーも多かった。
エルザ自身は手榴弾(ポテトスマッシャー)やパンツァーファウスト、MG42機関銃を装備している。


小山内香(おさない かおり)

17歳のメカクレ。
奈々子と同じく女学生で、槍投げの腕を見込まれて軍に召喚される。
奈々子よりも先に両親を亡くし、幼馴染の山田隆一の家で面倒を見てもらっている。
ホンワカ系の天然だが運動神経は非常に良い。
髪型から奈々子に「金魚」と呼ばれており、その関係で哲一にも「金ちゃん」と呼ばれている。

彼女のまとうヘケトケプレシュもさほど改修はされていないが、背中に雷鳴槍を懸架できるようになっている。
雷鳴槍は竹やりの先に爆薬を詰めた缶が付いており、敵に向かって投げて爆発される武器である。通称「マッドマックスのアレ」
主武装は九二式重機関銃。


珠本健司(たまもと けんじ)

33歳。珠本鳴海の実兄。兵士として戦地へ赴き重症を負うが、日本軍の特殊部隊により人体改造手術を受け生還、サイボーグとなる。
彼自身は軍国主義者であり、改造された自身の肉体にも誇りを持っている。
鳴海が売られたことに関しては「家を守るためなら当然」というスタンスでいるため鳴海には相当憎まれている。

彼のまとうバアルのケプレシュは彼の体の中枢にまで接続されている。
目元のセンサーはどんな視界でも相手の姿を確実にとらえる事ができる。左腕は大幅に伸縮する。
格闘戦向きで決して弱くはないはずなのだがシュバイツァーを使用して挑むと楽勝で撃破できてしまうため"Ⅰ"ではプレイヤーに雑魚扱いされている。

 

小早川大佐(こばやかわたいさ)

"ケプレシュ"の戦時投入計画を指揮していた軍人
後に要塞防衛を任されることになる。
"Ⅱ"ではファラオのケプレシュをまとい最終ボスとして登場。

曾我秀明(そが ひであき)

46歳。前作の後にリンと結婚して3人の娘の父親となる。
科学者として不本意ながら軍の研究に携わっていた。
過去の陽気さはあまり感じない。
シュバイツァーと共に要塞建設妨害工作を企てた。

曾我蘭(そが らん)

21歳。
前作・古代戦殻ジェノサイダーの曾我秀明とリンの娘で3姉妹の長女。
母親と同様に耳が尖ってるのを髪型で隠している。
空襲から逃げ遅れ、昭一の目の前で爆弾で木端微塵になる。
昭一は遺体を拾い集めて曾我家に戻ることになった。
彼女の死に直面してから昭一の行動や考えが徐々に変わっていく。

曾我累(そが るい)

14歳。
前作・古代戦殻ジェノサイダーの曾我秀明とリンの娘で3姉妹の末。
姉達とは対照的に陽気で明るい性格。父の影響で空想科学(SF)好きであり、シュバイツァーからTV放送等の話を聞くのが好きだった。
ハマーがアメリカ人であることはハマー自身から告白される前から薄々感付いていて、ハマーがB29の搭乗員だと知った後もむしろ「いずれ戦争が終わったら仲良くしないといけないんだから」と積極的に交流し親交を深める。しかし勤労奉仕先の工場から逃げ遅れて機銃掃射の犠牲になってしまった。

倉橋八重(くらはし やえ)

14歳。倉橋奈々子の妹。
姉と同じように怪しい笑い方をする。
累のクラスメイトで、姉の漫画を累に又貸ししたりしていた。
空襲で家と家族を失った後は奈々子と共に川西哲一の家に住んでいる。
姉と哲一の仲を応援している。

山田隆一(やまだ りゅういち)

前作・古代戦殻ジェノサイダーの山田亮太とメイの息子。
空襲で片足を失っている。
香とは幼馴染。
最終決戦前に「帰ってきたらお嫁に来てくれ」とプロポーズする。


☆ネタばらし☆


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